2019年8月23日金曜日

ハーバリウムオイルについて





現在、ハーバリウムによく用いられるオイルには、流動パラフィンとシリコーンオイルの2種類があり、どちらも非常に変質しにくい安定しているオイルです。

でも、それ以外のもっと安価な無色透明な液体を使ってハーバリウムが作れないか?とだれしも思うものです。
アルコール・グリセリン・水糊・精製水などの無色透明な液体を使ってもハーバリウムは作れますが、これらの液体はオイルに比べると中の材料を変質させたり脱色させやすいため、事前に材料をコーティングして変質しにくいように加工しておく必要があります。

まずは、ハーバリウムを作るのに最も一般的な流動パラフィンとシリコーンオイルについて考えてみましょう。

流動パラフィン



流動パラフィンには、粘度の差で、低粘度・中粘度・高粘度の3種類が主に流通しています。
低粘度の流動パラフィンは、密度が低いさらさらとしたベビーオイルにも使われている「ミネラルオイル」とも呼ばれているものです。
密度の高い高粘度の流動パラフィンは、塗料の剥離剤などにも使われる、とろとろとした液体です。
中粘度の流動パラフィンは、扱いやすいこともあって、化粧品にも、機械油にも、潤滑油としても幅広い用途にポピュラーに利用されています。


シリコーンオイル



シリコーンオイルは、経時変化に非常に強く安定性が高いのですが、流動パラフィンに比べると一般的に高価になります。
シリコーンオイルは、サラサラのものから水飴のように硬めのものまで、どんな粘度のものも手に入れることが可能です。
シリコーンオイルは耐寒性にも耐熱性にも優れているので、寒冷地の冬の屋外や、真夏に高温になる車の中などにハーバリウムを置く場合は、シリコーンオイルを使用する方が安全です。


標準として粘度350のものを使う


ハーバリウムを作る場合、最も扱いやすいオイルの粘度はメープルシロップのようにとろんとした状態の「350です。
350くらいであれば、花材が浮きすぎず沈み過ぎず、なおかつ、どろどろしすぎて扱いにくいといったことが起こりにくいのでお勧めです。

ミネラルオイル・ベビーオイルなどに使われている粘度の低いオイルは、「70~100」なので、液全体もかなり密度が低いため、花材が動きやすくレイアウトが変わりやすくなってしまいます。
静置しておく分には問題ないし、オイルが粘度の高いものより非常に入れ易いので、はじめてハーバリウムを作ってみるのに利用するのにぴったりです。


オイルを混ぜて好きな粘度に調整する


流動パラフィンとシリコーンオイルを混ぜ合わせると、きれいに混ざりあわないために、オイルが白濁してしまうので、違うオイル同士を混ぜ合わせないようにしましょう。

しかし、粘度の違う流動パラフィン同士、シリコーンオイル同士を混ぜ合わせて、作りたい作品にぴったりの粘度のオイルにすることは可能です。

非常に安価な低粘度の流動パラフィンを、とろとろした高粘度の流動パラフィンと混ぜ合わせて、350より粘度がちょっと高いまたはちょっと低いといった、絶妙な粘度の流動パラフィンに仕上げることも可能です。

粘度の低いシリコーンオイルを粘度の高い(値段もものすごく高い)シリコーンオイルと混ぜ合わせて、市販品にはないちょうどいい粘度に仕上げることもできます。


使用済みのオイルは布などにしみこませて可燃ごみに

流動パラフィンもシリコーンオイルも、ともに油なので、燃料として使うこともできます。
オイルを扱うときも置き場所周りも、火気厳禁です。


ハーバリウムに入れる花材になんのコーティング処理もしないでいると、ものによってはあっという間に見事に色が落ちてしまうことがあります。

色移りしたオイルは、オイル用のフィルターで繰り返し濾したりするとある程度クリアに戻せるでしょうが、めんどくさいから処分しよう!と考える方が一般的ですね。


牛乳パックにぼろ布などを詰め込んで、その中にオイルを流し込んで吸い込ませ、ビニール袋に包んで可燃ごみとして処分しましょう。
食用油を捨てるときに吸わせるパックを利用するのもおすすめです。

間違っても、排水溝やトイレに流すことのないようにしてください。


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