2019年10月7日月曜日

ハーバリウムに使うドライフラワーの作り方【グリセリン】




ハンドメイドのドライフラワーの技法というよりも、プリザーブドフラワーの技法として、グリセリンを使ったドライフラワーの作り方があります。
通常の吊り下げて乾かす「ハンギング法」やシリカゲルを使って作るドライフラワーに比べると、グリセリンを使ってドライフラワーを作ると全体の花びらが柔らかく仕上がり、発色がきれいに仕上がるといわれています。

「言われています」というのは、実際にやってみて、それほどうまくできたためしがないからで、上手にできる人はできるんだろうなと思っています。
私はだめでも上手にできる方はきっとあるだろうから、技法としてご紹介しましょう。

プリザーブドフラワーを作る場合は、まず花を漂白し、その上で色素を混ぜ込んだグリセリン溶液に浸すことで、思い通りの色合いのものを作り上げるのが本式ですが、花本来の色を残す場合は、漂白過程・色素をカットして仕上げます。

 グリセリンを使ったドライフラワーの作り方手順

1.      なるべくフレッシュな花を用意して水あげする
2.      グリセリンを12倍のお湯で希釈する(熱湯不可。60℃くらいまで)
3.      ドライにする花をグリセリン希釈液に挿しておく

作り方としては、非常にシンプルです。
2~3倍の量のお湯で薄めたグリセリン液(グリセリン希釈液)を使うだけです。
グリセリン液に挿しておくのは、2日~1週間程度で、花の状態が悪くなるようなら早めに切り上げます。

花がグリセリン液を吸い上げないとドライフラワーにならないので、しっかり水あげします。
バラのように水あげが得意でない花に対しては、枝先を熱湯に12分つけたのち、水に移し替え、水中で先端を5mmほど切り落とす「水切り」する「湯切り」をすることで、水あげがうまくできます。



首が曲がりにくいように、大きな花首は花瓶の口で支えられるようにしておくと安心です。
葉っぱはグリセリン液に水没させてもOKですが、花びらはグリセリン液につからないようにします。

 変色しはじめたり、首が曲がってきたら、ハンギング法に切り替えてしっかり乾燥させます。


ドライフラワーを作るのですが、花瓶に花を挿しておくのとまったくかわらないので、切り花を楽しみながらもドライフラワーを作ることができます。


花をグリセリン液に浸しておいて作るのもOK



花をグリセリン液に浸してドライフラワーを作ることもできますが、1日つけておくだけで花びらが変色してしまうことがあります。

白っぽい花色の場合は、どことなくくすみやすく、赤など、はっきりした色合いのものの方が変色も目立ちません。
グリセリン液に浸してドライにする場合は、色合いが濃い花にするのがおすすめです。

グリセリン液に浸して数時間、色が悪くなりそうならすぐに取り出し、吊るして乾燥させるハンギング法に切り替えて乾燥させます。
見た目は普通のドライフラワーなのに、花びらが柔らかめの仕上がりになります。


バラ・ガブリエルをグリセリン液でドライフラワーにしてみる



うっすらと紫色が入っているものの、ほぼ白に近い色合いのバラ・ガブリエルを、グリセリン液を使ってドライフラワーにしてみました。

ガブリエルは繊細な茎のバラですが、水あげは苦手ではありません。
しかし、グリセリン液の吸い上げは得意ではなかったようです。

また、比較用に一緒に加工した他の白いバラともども、見た目はハンギング法とあまり変わらない、茶色が入ってきたような仕上がりになりました。



ハーバリウムオイルの中に漬け込んでしまえば、それなりに広がっていい状態になることが絶対にないとは言いませんが、あまりグッドな仕上がりとは言えません。

花びらも茎も繊細なので、ガブリエルは室温のシリカゲルに5日程度埋め込んでいく方法が一番きれいな仕上がりになります。



かつて、赤いバラをグリセリン液でドライフラワーにしたときは、茶色がかってしまったものの赤い色は強く残り、花瓶に挿したままにして置いたら、茶色がどんどん濃くなってくるけれど赤い色が1年ほど残りました。
赤い色を長持ちさせられるという点では優秀といえるのではないでしょうか。

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